日本農村医学会雑誌
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原著
気管支鏡検査における鉗子・ブラシ洗浄液を用いたセルブロック作成の有用性の検討
栗山 満美子中尾 心人木下 亮輔清利 紘子杉原 雅大武田 典久深井 美樹山田 和佳北島 聖晃露木 琢司村松 秀樹
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2023 年 72 巻 4 号 p. 307-313

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抄録

〔背景と目的〕呼吸器診療において,胸水を用いたセルブロック(Cell Block;CB)は頻用されている。一方で気管支鏡検査において鉗子・ブラシ洗浄液を用いたCBが病理診断に有用であったという報告は少なく,この有用性を明らかにするために後方視的に症例検討を行なった。
〔対象と方法〕2016年6月から2021年5月の間に当院で気管支鏡検査時に,鉗子・ブラシ洗浄液を用いたCBを作成した症例を検討対象とし,これにより追加情報が得られた症例について詳細な検討を行なった。
〔結果〕対象期間中に鉗子・ブラシ洗浄液を用いたCBを作成したのは138例であった。このうち102例でEBUS-GSを用いていた。最終診断は肺癌114例,感染症10例,転移性肺腫瘍8例,リンパ増殖性疾患2例,サルコイドーシス1例,器質化肺炎1例であった。CBにより追加情報が得られたのは13例で,すべて悪性腫瘍の症例であった。
〔結論〕気管支鏡検査における鉗子・ブラシ洗浄液を用いたCBは一部の症例において病理診断に有用である。

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