2002 年 25 巻 1 号 p. 70-78
臓器移植後などの免疫低下時には,潜伏感染しているEBウイルス,サイトメガロウイルスが活性化し,重篤な感染症を起こす.感染制御に重要なCD 8陽性ウイルス特異的T細胞を定量的に解析する方法として, 1) Enzyme-linked immunospot assay, 2) Cytokine flow cytometry, 3) Tetrameric major histocompatibility complex-peptide complex(tetramer)などが開発された.それぞれに長所,短所があるが, tetramerによる染色法は簡便性,迅速性,再現性,汎用性などにおいて優れている.ウイルス特異的T細胞の測定が普及すれば,ウイルス感染症の管理において新しい診療情報源となるであろう.