1997 年 20 巻 5 号 p. 447-452
症例は23歳,女性. 1988年4月より,高熱,リンパ節腫大,脾腫,皮疹が出現.近医での消炎鎮痛剤の投与にて軽快. 1991年6月,発熱時の皮疹が出現し,他医にて成人Still病と診断され副腎皮質ホルモン剤の投与を受けた.以後,緩解,再発を繰り返す. 1994年7月,高熱,皮疹,関節痛の増悪,フェリチン値の上昇を認め,ステロイドパルス療法を施行.トランスアミナーゼ値,ビリルビン値が著明に上昇し当院へ入院.入院後,汎血球減少を認め,骨髄穿刺を施行.組織球による血球貧食像を認め, hemophagocytic syndromeと診断するが,入院10日目に死の転帰をとった.
成人Still病の経過観察中に重篤な肝機能障害をきたし, hemophagocytic syndromeを合併した1例を経験したので報告する.