日本臨床免疫学会会誌
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皮膚筋炎・多発性筋炎にみられる急性びまん性肺疾患の臨床像と予後
高林 克日己倉沢 和宏杉山 隆夫山崎 俊司市川 健司松村 竜太郎前田 敏郎住田 孝之小池 隆夫冨岡 玖夫吉田 尚大島 仁士
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1991 年 14 巻 2 号 p. 122-130

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抄録

皮膚筋炎・多発性筋炎の患者では他の膠原病に比して急性間質性肺炎がとくに多数みられた.自験例の71例の皮膚筋炎のうち, 18例に急性問質性肺炎がみられ,このうち10例が治療に抵抗し予後不良であった.こうした予後不良群は男性に多く,皮膚症状を有し, CPKなどの筋原性酵素の上昇がなく,炎症反応に乏しい症例で,筋炎に対するステロイド剤の投与後に発症することが多かった.予後不良群では剖検5例のうち4例はUIPであったが, 1例はサイトメガロウイルス性肺炎であり,また抗ウイルス抗体価の変動がみられた症例もあり,皮膚筋炎・多発性筋炎に伴う急性間質性肺疾患の原因の一つとしてウイルスの関与の可能性が考えられた.胸部X線写真からの予後判定は難しかった.また特定の自己抗体と急性間質性肺炎の予後には相関がなかった.

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