IBD(UC,CD)と鑑別を要する主な炎症性腸疾患(広義)について,それら疾患の概要とIBDとの形態学的鑑別診断について述べた.UCとの鑑別を要する疾患として主にキャンピロバクター腸炎,アメーバ性大腸炎,出血性大腸炎,サルモネラ腸炎,NSAID腸炎(大腸炎型)などが挙げられる.CDとの鑑別を要する疾患として主に腸結核,腸管Behçet病,虚血性大腸炎,エルシニア腸炎,NSAID腸炎(潰瘍型)などが挙げられる.UCおよびCD両者との鑑別を要する疾患はCMV腸炎,アメーバ性大腸炎,腸管出血性大腸菌腸炎などである.