日本内科学会雑誌
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今月の症例
心不全の発症を契機に診断された22q11.2欠失症候群の1例
庄司 智絵山岸 正西澤 健也李 慧崇津村 和大末吉 浩一郎野崎 博之大曽根 康夫秋月 哲史
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2008 年 97 巻 11 号 p. 2785-2787

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抄録

22q11.2欠失症候群は22番染色体の片側部分欠失であり,心奇形,特異顔貌,胸腺低形成,口蓋裂,副甲状腺機能低下症による低カルシウム血症を主症状とする症候群である.今回,我々は心奇形を伴わずに比較的高齢まで無症状で経過し,急性心不全と低カルシウム血症を契機に診断された22q11.2欠失症候群の一例を経験したので報告する.高血圧性心臓病を基礎心疾患とする慢性心不全の増悪とも考えられたが,本症例は血清カルシウム補正後に心機能の改善を認めたことから,低カルシウム血症と心不全の関連が示唆された.

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© 2008 一般社団法人 日本内科学会
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