日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
リウマトイド因子活性の著高と単クローン性κ型IgM血症を合併したSjögren症候群の1例
竹田津 美樹金子 文秀橋本 和朋志摩 清木藤 正人濱田 哲男本田 友登
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 77 巻 5 号 p. 656-660

詳細
抄録

リウマトイド因子活性の著高と単クローン性IgM (κ)血症を合併したSjögren症候群の1例を報告する.症例は81才の男性で, 2年前より出現した口腔内乾燥,眼球異物感などの自覚症状,耳下腺生検組織からSjögren症候群と診断した.血清IgMは2403mg/dlと著増し,単クローン性κ型IgMを認めた. RA 47000IU/ml RAHA 204800dilsとリウマトイド因子活性の著高を認め,セファクレルS300によるゲル濾過にて,このリウマトイド因子活性はIgM型であることを確認した.耳下腺生検組織中にPAP法でIgM陽性の形質細胞を多数認め,耳下腺病変部で単クローン性κ型IgMが産生されていると考えられた.以上より単クローン性IgMがリウマトイド因子活性を有しているものと推測された.

著者関連情報
© (社)日本内科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top