日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
医学と医療の最前線
心房細動治療の最前線:抗凝固療法とカテーテルアブレーション
奥村 謙
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 101 巻 10 号 p. 2964-2972

詳細
抄録

心房細動(AF)の治療では,心原性脳梗塞予防を第一とし,次にAF自体へのアプローチ(リズムおよびレート治療)を行う.CHADS2スコアで示される脳梗塞発症のリスク因子を評価し,中等度以上のリスク例にはガイドラインに準拠した抗凝固療法を継続して実施する.最近,新規抗凝固薬が相次いで市販されているが,いずれもいわゆるモニタリングが不要で,固定用量で投与可能で,また頭蓋内出血の副作用も少なく,使用しやすい薬剤と言える.しかし抗凝固薬であることに変わりはなく,その適応,用量設定など,患者背景に応じて適正に使用することが肝要である.一方,カテーテルアブレーションの進歩には目覚ましいものがあり,最近の3次元マッピングの発展等により,AFに対しても積極的に適用されている.とくに発作性AFに対するアブレーションの効果はほぼ確立され,最新のガイドラインでもクラスI適応に位置づけられた.今後のAF治療は大きく転換されるであろう.

著者関連情報
© 2012 一般社団法人 日本内科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top