日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
暑熱時における周期的絶食がブロイラーの生産性に及ぼす影響
平元 清和佐藤 勝人矢野 泰臣
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1995 年 32 巻 3 号 p. 169-176

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抄録

発生予測が困難な暑熱ストレス(HS)によるブロイラーの生産性低下に対する昼間の周期的絶食処置の有効性,ならびに絶食処置方法の差がその軽減に及ぼす影響について,2試験を実施し検討した。
試験1は21日齢のブロイラー800羽を供試し,22日齢より11:00から5, 6および7時間(各5, 6および7時間区)の絶食処置区および不断給餌区を設定し,49日齢までの28日間実施した。試験2は試験1と同様,21日齢のブロイラー800羽を供試し22, 29および36日齢(各22, 29および36日齢区)より11:00から6時間の絶食処置区および不断給餌区を設定し,56日齢までの35日間実施した。両試験とも艶死率,平均増体量,飼料要求率および1m2当たり増体量について比較検討した。
試験1では不断給餌区において4.5%のHSによる発死が認あられた。5, 6および7時間区はそれぞれ1.0, 1.5および0.5%に軽減され,7時間区は不断給餌区と比較し有意に低い驚死率を示した。6時間区の1m2当り増体量は不断給餌区と比較し16%多く,有意に改善された。試験2においても不断給餌区では18.0%のHSによる発死が認められた。22, 29および36日齢区はそれぞれ11.0, 9.0および13.0%に軽減され,29日齢区は不断給餌区と比較し有意に低かった。22および28日齢区の1m2当り増体量は不断給餌区と比較し16および17%多く,有意に改善された。
以上の結果,絶食処置はその時間および開始日齢を問わず,周期的に施すことにより不測のHSによる生産性低下の軽減に有効であり,1m2増体量を指標にすると,特に22もしくは29日齢から6時間絶食処置を施すことがより有効であることが示された。

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