日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
木酢液を主成分とする製剤が鶏の孵化成績におよぼす影響
坂井田 節塩谷 栗夫田中 稔治
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1987 年 24 巻 6 号 p. 374-377

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抄録

木酢液を主成分とする製剤が鶏の孵化成績におよぼす影響について検討した。本製剤を1.0~1.5%飼料添加して,ブロイラーおよび採卵種鶏に投与した。
実験-1では2農場のブロイラー種鶏全群に本製剤を飼料中に1.5%添加し,投与前5ヵ月間と投与開始後5~15ヵ月間の入卵孵化率を比較した。製剤の投与後孵化率は投与前に比べて6~8%上昇し,統計的に0.1~0.5%水準で有意差を生じた。
実験-2ではブロイラー種鶏の産卵後期(44週齢)に本製剤を1.0%飼料添加し,無投与の対照区と比較した。入卵孵化率で投与区が5.7%(0.5%水準で有意)上回った。
実験-3では採卵種鶏に37週齢より1.5%飼料添加し,坂井田•塩谷•田中:木酢液の投与と孵化成績 377投与前5週間と投与後5週間の孵化成績を比較した。その結果,受精率で2.1%,受精卵孵化率で1.9%,入卵孵化率で3.7%上昇し,投与前に対しそれぞれ5%またはそれ以上の高水準で有意差を生じた。以上のように本製剤の投与開始後,孵化成績の向上が見られた。

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