1960 年 9 巻 12 号 p. 1031-1035
8-ヒドロキシキナルジンを用いるベリリウムの比色定量法を適用し,ベリリウムー銅ならびにベリリウム-アルミニウム合金中のベリリウムを定量した.この際,定量の妨害となる銅,アルミニウムをそれぞれシアン化カリウム,EDTAによって直接いんぺいする方法について検討し,ベリリウム1~5%の合金について±0.02%以内の誤差で定量できるようになった.銅のいんぺい剤であるシアン化カリウムは吸光係数に変化をあたえないが,アルミニウムのいんぺいに用いるEDTAは吸光係数を低下させることがわかった.なお,合金中の不純物である鉄,ニッケル,コバルトなども同時にいんぺいされ定量の妨害とならない.