分析化学
Print ISSN : 0525-1931
放射性銀を用いるジチゾンおよびジチゾン銀塩四塩化炭素溶液の経日安定性の検討
鈴木 信男
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1959 年 8 巻 6 号 p. 349-353

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抄録

10-6~5×10-5Mの範囲の,充分精製したジチゾン四塩化炭素溶液およびあらかじめ放射性銀とジチゾンを硫酸酸性で反応させて得たジチゾン銀塩四塩化炭素溶液の経日安定性を調べた.温度や光にとくに意を用いない通常の室内放置ではジチゾンの稀薄溶液はほぼ1ヵ月で完全に分解する.過剰のジチゾンを含む銀塩溶液は濃度が大であればいちじるしく安定であるが,10-6M程度のものは過剰のジチゾンの共存でもとくに安定というわけではない.螢光灯照射の場合には分解はいちじるしくすみやかである.暗所に放置すればかなり安定であるが,室内に放置したときとあまり変らない.また,市販1級品およびさらに精製した四塩化炭素を溶媒として溶液を調製し安定性を比較したが,この程度の溶媒の精製による差異はみとめがたい.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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