分析化学
Print ISSN : 0525-1931
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固定化ヒスタミンオキシダーゼを用いる吸光検出フローインジェクション分析による魚醤中のヒスタミンの定量
渡辺 瞬松尾 謙一鈴木 保任橘 正樹谷 和江小泉 均松本 邦男木羽 信敏
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2007 年 56 巻 12 号 p. 1033-1036

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抄録

Hazard analysis critical control pointでの化学的危害要因物質であるヒスタミンの迅速な測定のために,固定化酵素リアクターを用いる一流路の吸光光度検出/フローインジェクション分析法を開発した.固定化酵素はトレシル化した親水性ビニルポリマービーズにヒスタミンオキシダーゼ(HOD)及びペルオキシダーゼ(POD)を固定化して調製した.発色試薬溶液をキャリヤーとし,その流れの中に試料を注入した.試料は固定化HODで過酸化水素に変換され,その後固定化PODで生成した呈色物質の吸光度を530 nmで測定した.ヒスタミン濃度10∼1000 μMの間で吸光度との間に直線関係が成立した.測定時間は3分であった.本法を魚醤中のヒスタミンの定量に応用した.魚醤を25又は50倍に緩衝液(pH 8.0)で希釈し,その100 μLを注入した.本法の結果と高速液体クロマトグラフィーとの結果は良い相関関係を示した.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry 2007
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