分析化学
Print ISSN : 0525-1931
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簡易な前処理と自動装置を用いる絶縁油中のポリ塩化ビフェニルのイムノアッセイ
大村 直也Thomas R. GLASS佐々木 和裕城 孝司たえ見 幸弘横堀 尚之
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2006 年 55 巻 1 号 p. 1-7

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抄録

絶縁油中ポリ塩化ビフェニル(PCB)の簡易測定として,前処理法並びに自動装置を用いたイムノアッセイ法を検討した.絶縁油を発煙硫酸・硫酸含浸珪藻土カラムとシリカゲルカラムを連結した二段カラムにより処理し,続いてジメチルスルホキシド抽出を行う前処理法を確立した.前処理におけるPCBの回収率は40~60% であり,所要時間は30分程度であった.前処理液を抗PCB抗体溶液に添加し,自動イムノアッセイ装置に供した結果,約8分間で分析が可能であった.検出範囲は絶縁油に添加したカネクロール(KC)300で0.3~18 ppm,KC400で0.2~0.7 ppm,KC500とKC600では共に0.1~1.5 ppmであった.更に15種のPCB混入絶縁油について,本法と高分解能質量分析により決定した総PCB濃度(0.1~1.8 ppm)の間には高い相関があった.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry 2006
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