分析化学
Print ISSN : 0525-1931
分析化学総説
マイクロチップ電気泳動における高感度検出法
北川 文彦大塚 浩二
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2005 年 54 巻 11 号 p. 1047-1060

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抄録

微小基板上に作製した微細な流路内で電気泳動分離を行うマイクロチップ電気泳動(MCE)は,高速分析・微量分析などの特徴を有しており,ハイスループット分析への適用が期待されている.MCEにおける問題点として,検出感度が十分ではないことが指摘されており,様々な高感度検出手法の導入が検討されている.MCEの研究初期においては,蛍光に基づいた検出法を適用した例がほとんどであったが,微細加工技術の進展に伴い微小電極をチップ上に作製することが可能となり,高感度な電気化学検出や試料の適用範囲の広い電気伝導度検出等のMCEへの適用が進んでいる.また,MCEチップと質量分析計との結合を可能にするインターフェースの開発も進展しており,タンパク質のアミノ酸配列や相互作用の解析,糖鎖構造の解析などへの応用が期待されている.本稿では,MCEへの適用が検討されている検出法の原理及び特徴的な技術について,最近の成果を中心に紹介する.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry 2005
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