分析化学
Print ISSN : 0525-1931
総合論文
フロー分析における小型キーデバイスの開発と応用
戸田 敬
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2004 年 53 巻 4 号 p. 207-219

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抄録

フロー分析に応用するデバイスのミニチュア化を試みてきた.小型化は電気化学反応や固定化酵素反応のような表面反応に極めて有利であり,反応捕そく率が100% のリングディスク電極やインキュベーションの不要な酵素反応リアクターの開発につながった.生体試料をマイクロリッター単位で直接フロー系に採取するニードル型のサンプラー/リアクターも開発し,貴重な生体試料への応用が期待される.また,小型化によって熱容量が小さくなるので,反応熱を利用した分析にも有利である.更にガス分析においては,大気成分の捕集器を小型化すると吸収溶液の比表面積を向上した有効な捕集濃縮が可能となり,かつフローインジェクション分析と相性の良い拡散スクラバーとなる.この結果,高感度かつ半連続的な大気成分測定が可能になった.フローインジェクション分析に加えストップトフロー法による新たな大気成分測定デバイスについても報告する.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry 2004
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