分析化学
Print ISSN : 0525-1931
ビリベルジン定量のためのジアゾカップリング反応
鈴木 優治坂岸 良克
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1991 年 40 巻 8 号 p. 377-381

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抄録

血清ビリルビンの定量をより正確に行うため,ビリルビンの酸化により生成するビリベルジンのジアゾカップリング反応について,12種類のジアゾニウム塩を用いて検討した.その結果,ビリベルンンはビリルビンと同様にジアゾニウム塩と反応し,510-550nm付近に吸収極大波長を有する紅色-紫色のアゾビリルビンを生成することが分かった.しかし,酸性下における反応速度はビリルビンのジアゾカップリング反応に比べて遅く,反応速度定数は1.80×10-4-1.22×10-5s-1であった.水酸化ナトリウムの添加により,pHを上昇させると,反応速度は著しく増加した.ビリベルンンのジアゾカップリング反応では,ビリベルジン1分子からアゾビリルビン1分子が生成すると推定された.ビリベルジンと速やかに反応するジアゾニウム塩を用いることにより,血清ビリルビンの定量はより正確になると考えられた.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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