分析化学
Print ISSN : 0525-1931
トリメチルシリル化分離-冷却捕集-ガスクロマトグラフィーによる希薄溶液中のフッ化物の定量
山谷 和久大迫 なぎさ塩田 寛司近藤 章司吉田 稔
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1987 年 36 巻 2 号 p. 88-92

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抄録

生成したトリメチルフルオロシラン(TMFS)を冷却したカラム中に捕集濃縮し,これを水素フレームイオン化検出器付きGCで測定して試料水中のppbレベルのフッ化物の定量を行った.反応容器(100cm3)中に試料溶液50cm3,塩酸22cm3,トリメチルクロロシラン飽和塩酸溶液3cm3を加え,次に窒素を流量50cm3 min-1で流して生成したTMFSを溶液から分離し,ドライアイスとアセトンで冷却したカラム(充てん剤:2%OV-3シリコン/ユニポートHP)に捕集して濃縮する.TMFSの全量を,市販GC装置の流路を改修した注入装置でカラムに瞬時に注入し,測定する.本法の定量範囲は0.3ppb以上で,10ppb標準溶液の測定結果は,確率水準95%で10.0±0.18ppbであった.天然試料中に存在するほとんどのイオンは妨害しなかった.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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