分析化学
Print ISSN : 0525-1931
フローインジェクション/原子吸光法によるケイ酸塩中のナトリウム,カリウムの同時又は逐次定量
奈良 正小熊 幸一黒田 六郎
著者情報
ジャーナル フリー

1987 年 36 巻 12 号 p. 851-855

詳細
抄録

FIA/AASによるケイ酸塩中のNa,Kを同時又は逐次定量する方法を確立した.フローシステムとしては試料ゾーンを二つの流れに分割し,もしくは別々の流れに交互に注入し,各元素の測定条件に設定した2台のAAS装置のネブライザーに導く二つのシステムを構築した.試料を無水炭酸リチウムとホウ酸との混合物により融解し,融成物を1M塩酸溶液とした後,その一部をシステムに注入した.融剤中のLiにより干渉はよく抑制され,新たな干渉抑制剤の添加は不要である.米国地質調査所及び工業技術院地質調査所の計26種の標準岩石試料の分析結果は,推奨値と良く一致し,10回測定の相対標準偏差は,いずれのシステムによってもNaについて約1%,Kについて約0.5%である.

著者関連情報
© The Japan Society for Analytical Chemistry
前の記事 次の記事
feedback
Top