1985 年 34 巻 1 号 p. 6-10
バクテリアルシフェラーゼを用いる生物発光反応を,酵素免疫測定法(EIA)に導入し,17α-ヒドロキシプロゲステロン(17-OHP)の定量に応用した。17-OHPの標識にグルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)を用い標識体を合成,これと17-OHPを抗17-OHP抗体へ競合させ,第二抗体固相法により結合型と遊離型を分離した。17-OHP濃度に依存した固相に吸着したGDH活性を,ジヒドロニコチンアミドアデニンジヌクレオチドを介する生物発光反応で検出した。測定値は,生物発光酵素試薬が不安定なため1試料を4回測定し,その平均により求めた。この測定法の検出限界は2.5pg/チューブであった。乾燥炉紙血液に応用した場合のラジオイムノアッセイ(血清)との相関係数は0.958であり,ほぼ良好な相関を示した。