分析化学
Print ISSN : 0525-1931
フミン酸,リグニンスルホン酸ナトリウムのけい光法による同時定量
たい積物中のフミン酸,フルボ酸の定量
松田 庄蔵平木 敬三西川 泰治
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1979 年 28 巻 6 号 p. 341-346

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抄録

たい積物中の腐植物質を水酸化ナトリウム溶液で抽出しけい光法的にフミン酸及びフルボ酸を同時定量する方法を検討した.励起波長320nmの光によりフミン酸は(430~500)nmにけい光波長帯を,又リグニンスルホン酸ナトリウムは400nm付近に極大波長を有するけい光を示す.いずれも塩基性溶液pH9で一定のけい光強度を示す.腐植物質中のフルボ酸はリグニンスルホン酸ナトリウムと類似のけい光スペクトルを示すことより,フルボ酸をリグニソスルホン酸ナトリウムに換算して定量した.400nm,500nmの2波長を用いてけい光強度を測定すると試料中の10ppm以内の両成分が同時定量できた.本法により河川及び海底たい積物中のフミン酸,フルボ酸を高感度で,精度よく定量できた.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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