1978 年 27 巻 7 号 p. 386-390
水中の強キレート剤は,pH10で当量の酸化銅(II)の沈殿を可溶化する.遠心分離後,上澄液を分取し,ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(NaDDTC)を加えると,配位子交換によりCu(DDTC)2を生じ,四塩化炭素に抽出される.抽出相の吸光度を436nmで測定して,河川水や排水中の強キレート剤の間接定量を行った.この方法では,試料水中の強キレート剤の合量が求められる.実際の試料中では,強キレート剤の種類が不明なことが多いので,これと当量の銅(II)の量で表示することを提案する.