1978 年 27 巻 2 号 p. 104-108
起ほう分離法を用いる水中の銅(II)イオンの濃縮分離法を検討した.捕集剤にn-ブチルキサントゲン酸カリウム(n-BuXn),起ほう剤に臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)を用いる方法である.
まず,銅(II)イオン濃度2×10-8g/mlの試料1000mlを用い,バッチ法により検討した.pHを9.0,0.5%n-BuXn水溶液添加量を40mlとし,0.075%CTAB水溶液を90ml/h,窒素ガスを500 ml/minで供給しながら起ほう分離を40分間行うと,濃縮率100倍,回収率もほぼ100%という良い結果が得られた.
この結果をもとに連続法の検討を行った.1000ml/hの試料速度においてほぼ96%一定と満足すべき回収率が得られることが分かった.