1968 年 17 巻 5 号 p. 589-592
硫酸根をバリウムイオンで滴定する場合, 硫酸バリウムの生成反応がおそいため, 直接滴定は困難である.ここでは, 硫酸バリウム生成を促進するために陰イオン界面活性剤を添加して滴定を試みた.比較のため, アセトン, エタノールを加えた場合を合わせて検討した.指示薬はスルホナゾIIIを用い, ピンクから青色への変色を終点とした.応用例として, 工業ぼう硝3種, 硫酸含有液3種および海水について滴定した結果, ぼう硝, 硫酸含有液についてはほぼよい結果が得られたが, 海水中の硫酸イオンを滴定することは困難のように思われた.