分析化学
Print ISSN : 0525-1931
アリザリンコンプレクソンを用いる微量フッ素の抽出光度定量
平野 四蔵藤沼 弘笠井 寿二
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1966 年 15 巻 12 号 p. 1339-1344

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抄録

アリザリンコンプレクソン-ランタン-フッ素の複合錯体をアミンを含む有機溶媒によって抽出する条件を検討し,微量フッ素の定量方法を確立した.
試料溶液を分液漏斗にとり,アリザリンコンプレクソン溶液,pH4.4の緩衝溶液,アセトンおよび塩化ランタン溶液を加えて振り湿ぜ,N,N-ジエチルアニリン-イソアミルアルコール溶液(5vol%)10mlで抽出し,580mμ付近における吸光度を測定する.
本法は試料水約20ml中の0.5μgまでのフッ素を定量することができ,その5μgに対して変動係数1.47%,モル吸光係数約23,500,から試験溶液の吸光度は10mmセルで0.06程度であった.
飲料水中の微量フッ素の定量に応用し,ほぼ満足できる結果を得た.飲料水中に通常含まれているイオンの共存は妨害とならなかった.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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