1962 年 11 巻 4 号 p. 434-437
合成繊維ポリエチレンテレフタレートの重要原料であるテレフタル酸中には,種々のベンゼンカルボン酸類が不純物として混入する.とくに1%以下の不純物は赤外線吸収スペクトル法によっても定量は困難であるので,イオン交換樹脂による分離定量法について検討した.R-Cl形アニオン交換樹脂(Amberlite IR-45)を用い,塩化ナトリウムのメタノール-水溶液を溶離液として最適条件を調べたところ,塩化ナトリウム,メタノールの濃度を適当に調節することによって,1%以下の不純物を分離定量することが可能になった.