窯業協會誌
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Nb2O5とAl2O3-CaO系化合物の固相反応
堀田 憲康斉藤 夏風松尾 重友松下 徹
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1983 年 91 巻 1058 号 p. 436-442

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抄録

Nb2O5焼結体と5種類のAl2O3-CaO系化合物 (3CaO・Al2O3, 12CaO・7Al2O3, CaO・Al2O3, CaO・2Al2O3, CaO・6Al2O3) 焼結体を重ね合わせて拡散対とし, 大気中, 1225-1300℃で加熱した. 生成する反応層をX線マイクロアナライザー分析及びX線回折により測定し, Nb2O5とAl2O3-CaO系化合物との固相反応を調べた.
Nb2O5と3CaO・Al2O3, 12CaO・7Al2O3及びCaO・Al2O3との反応においては, これらAl2O3-CaO系化合物中のCaO成分がNb2O5中へ一方拡散し, 3種類のNb2O5-CaO系化合物 (CaO・Nb2O5, 2CaO・Nb2O5, 3CaO・Nb2O5) が生成した. また, CaO・2Al2O3及びCaO・6Al2O3との反応においては, これらAl2O3-CaO系化合物へのNb2O5の一方拡散が優位であり, CaO・Nb2O5, 2CaO・Nb2O5及びAl2O3・Nb2O5が生成した. 反応層内に生成したCaO・Nb2O5は柱状及び板状, 2CaO・Nb2O5は板状, Al2O3・Nb2O5は2-3μmの球状の微粒子として存在していた. 反応層の生成速度はx2=2Dt式に従い, 3CaO・Al2O3, 12CaO・7Al2O3及びCaO・Al2O3よりもCaO・2Al2O3及びCaO・6Al2O3を用いた拡散対の方が大であった.

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© The Ceramic Society of Japan
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