窯業協會誌
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窒化ジルコニウムの合成
岡田 繁阿刀田 徹三
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1980 年 88 巻 1017 号 p. 242-247

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抄録

窒化ジルコニウム (ZrN) の生成機構と反応速度を調べるために酸化ジルコニウム (ZrO2) とグラファイト (C) との混合物を1気圧窒素ふん囲気中, 1300°-1600℃で0-16時間加熱した. その結果, 次の事項が明らかになった.
原料のC/ZrO2 (モル比) の増加は窒化ジルコニウムの生成を促進する. 窒化反応は1350℃より始まる. その過程で安定な正方晶ZrO2相及び立方晶ZrC1-xNxなどの中間相の生成が認められた.
窒化ジルコニウムの生成速度は1次反応速度式に従い, その際の見掛けの活性化エネルギーは64.7kcal/molであった.
中間相としてZrC及びZrxO1-yNy相 (β-Zr7O11N2, β-Zr7O8N4やγ-Zr2ON2など) の生成は認められなかった.
本研究における窒化反応温度範囲では純粋なZrN相を得ることは困難であった.

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© The Ceramic Society of Japan
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