窯業協會誌
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MHD発電用BeOセラミック絶縁壁に関する実験的研究
奥尾 隆保永田 進本間 琢也
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1978 年 86 巻 993 号 p. 214-225

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抄録

この論文は長時間実験MHD発電チャンネル用BeOコールドタイプ絶縁壁に関する約200時間の耐久性実験と, 300W/cm2以上の高熱流束実験の結果について述べたものである. 長時間運転実験はETL Mark III及びMark VIによって実施し, BeOコールドタイプ絶縁壁の電気的熱的諸特性とBeO素子の劣化過程を解析調査した. この結果, 熱損失はチャンネル上流部を除き理論式とよく一致し, 絶縁特性を表わす発電時の開放電圧の経時変化は約4時間で安定領域に達することを明らかにした. また, この開放電圧の過渡現象はシリコン-アルミナ系メジ材の劣化過程に基づくものであると推定された.
BeO素子の劣化はカソード電極近傍で走査型電子顕微鏡による組織調査及びX線マイクロアナライザーによる侵入不純物元素の解析によってわずかに認められ, この要因としてKとAl, Si等の不純物との反応が進行していることを明らかにした.
このBeO壁に関して高熱流束実験機によって熱流束の限界条件を実験的に検討した. この結果, BeOコールド壁は5mm厚以下のBeO素子と高熱流束型冷却構造を組み合わせることによって400W/cm2前後の熱流束に耐えることを示した.

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© The Ceramic Society of Japan
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