1978 年 86 巻 991 号 p. 97-101
MgOの仮焼及び焼結におけるハロゲンイオンの添加効果を, それぞれ, MgO粉末の結晶子の大きさや圧粉体の収縮率を測定することにより調べた.
Cl-は仮焼過程でMgO粉末の粒成長を助けた. また, 仮焼温度の上昇にともない母塩の形がいは消失した. しかしCl-の添加効果は700℃以上では小さくなった. 一方, F-は900℃以下では粒成長を抑制するが, 1000℃以上では, 逆に, 非常に促進させた. 仮焼後の粉末に含まれる単位面積当りのF-の量は仮焼条件の変化にあまり関係しない.
Cl-だけではあまり焼結を促進しないが, F-と同時に添加すると, F-を添加して高めたち密化を更に良くする. F-を含む圧粉体は特徴的なち密化曲線を, すなわち, 急激な収縮を示した. この急激な収縮が始まる温度は仮焼条件, 特に仮焼温度に影響される.