林業経済研究
Online ISSN : 2424-2454
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多様な森林利用と管理 : 屋久島における事例より(テーマ:地域資源の総合的管理をめざして,2005年春季大会論文)
枚田 邦宏
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2005 年 51 巻 1 号 p. 15-26

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抄録

本論では主たる森林利用と管理とそれに関わる主体を整理する。特に主たる森林利用が木材生産だけでなく,森林のレクリエーション利用が行われてきた屋久島を事例にしながら,それぞれの利用と管理について分析を行った。木材生産利用の場合は,国有林を中心に管理が行われ,関連団体は国有林に対して依頼を行うことで管理内容に影響を及ぼしてきた。しかし,森林のレクリエーション利用の拡大により森林管理は,利用者が広範におよび,管理組織も国有林とともに環境省であることから,木材生産のための管理に比べ多数の主体との関係が必要になった。さらに資源管理は,地方公共団体や民間との調整,協力の元で行われていることが明らかになった。このように多くの主体が森林管理に関わるようになった中では,相互の組織の調整だけでなく,連携した管理が必要になってきている。屋久島の場合は世界遺産登録以降に連絡,調整の動きが進んだと考えられる。

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© 2005 林業経済学会
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