日本臨床歯内療法学会雑誌
Online ISSN : 2432-4493
Print ISSN : 1340-6248
原著
強酸性電解水を利用したときの歯科材料への影響
―歯科用模型材について―
桂 啓文佐々木 秀之神 達宏小塚 照夫佐藤 信南浦 公夫亀田 務
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1996 年 17 巻 2 号 p. 167-174

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抄録

要 約 : 強酸性電解水はVIV, MRSAなどの微生物に対して殺菌効果があるとの報告がある. 酸性イオン水には収斂作用, 殺菌力, 洗浄力があり, この殺菌力の強い強酸性電解水を歯科材料に使用した場合, 材料の諸性質 (稠度, 発熱温度, 硬化時間, 硬化膨張, 圧縮強さ, 間接引張り強さ) について影響を与えるか検討するために, 歯科用模型材を用いて検討した. 強酸性電解水は水道水に0.05%食塩水溶液を10分電気分解を行い生成したものである.

 強酸性電解水は模型材の稠度には影響は少なく, 発熱温度は低く, 硬化時間には促進剤として働く.

 強酸性電解水は模型材の硬化膨張率に対してわずかに影響を与え, 圧縮強さ, 間接引張り強さでは増進させ, 模型材の表面粗さにはほとんど影響を与えない.

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© 1996 日本歯内療法学会
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