1994 年 15 巻 2 号 p. 151-155
要 約 : ヒト単根抜去歯を MAF #70まで根管拡大し, その根尖部に光重合ボンデイング剤 (3M社) を混合した AH-26 (Dentsply社) をプラガーで塡塞した. アルゴンレーザー (HGM社) のファイバーを根管内に導入し, 1.0 W, シングルパルスモード, 488 nm の条件で5秒間照射し, 硬化させた. 根管の中央部から上部はフィッシャーシーラント (3M社) を充塡し, 同様にアルゴンレーザーで硬化させた. 歯根を縦断しSEMで観察したところ, 硬化したAH-26は根管壁とよく適合しており, 根尖からの溢出もなかった. メチレンブルーを用いた色素浸透試験では, 72時間後において浸透が観察されず, 根尖部の封鎖性も良いと思われた. アルゴンレーザーとレジン系根管充塡剤を用いたこの新しい方法は将来, 有望であると思われる.