農業生産技術管理学会誌
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ミニトマト果実のビタミンC,糖および有機酸含量に及ぼすかん水量の影響
圖師 一文松添 直隆
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1998 年 5 巻 2 号 p. 41-47

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抄録

かん水量制限がミニトマト果実のビタミンC,糖および有機酸含量に与える影響を春作と秋作について調べた。供試品種として'ミニキャロル','イエローキャロル'および'オレンジキャロル'を用いた。1.ビタミンC含量に与えるかん水量制限の影響は品種により異なった。春作では'ミニキャロル'および'オレンジキャロル'の乾燥区が対照区より有意に高かった。秋作では'ミニキャロル'を除く他の2品種ではかん水量制限による影響は認められなかった。2.トマトの果実内成分の主要な糖であるブドウ糖および果糖は,かん水量制限により増加したが,その要因は主に果実内水分の減少による影響が大きいと推察された。3.果実内の主要な有機酸であるクエン酸の含量は,春作の'イエローキャロル'を除いて,かん水量制限によって高くなった。かん水量制限による有機酸含量の増加は果実内の有機酸代謝への効果的な影響に起因しているとも推察された。4.糖酸比は,春・秋作の'ミニキャロル'および春作の'オレンジキャロル'においてかん水量制限により低くなったが,その他の品種のかん水量制限区では処理効果は認められなかった。

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© 1998 農業生産技術管理学会
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