「『手に届く』施工実践をとおしてコレクティブな建築生産の担い手像を探る」 近年,職人不足の半面DIYや自主施工の広がりを背景として,プロの職人に限らず建築生産の担い手を広く開くことに関心が集まってきている。本実践研究では千葉県市原市の縮退する戸建団地において,構造の異なる二物件を多様な参加者が協働して施工しながら,素人の手に届く施工の範囲(アフォーダブルゾーン)をより難易度の高い方向へ拡げる方法を探った。その結果,1)職人や設計者が一般的な請負施工時と異なりハイアマチュア的に振る舞いうること,2)各々の知識と経験に応じて自律的に決定できることの価値が優先されていくこと,3)知識や経験をもった施主が施工に参加すると工夫の幅が広がり施工の面白さが実感できることが明らかになった。