住総研研究論文集・実践研究報告集
Online ISSN : 2433-8028
Print ISSN : 2433-801X
ISSN-L : 2433-801X
日本の住空間における儀式性
建築のエクスタシーを生み出す儀式と住空間の関係について
福島 加津也冨永 祥子菊地 暁本橋 仁金田 雄太佐脇 礼二郎
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2020 年 46 巻 p. 97-108

詳細
抄録

本研究は, 日本の民家から見出だされた黒い戸について, その機能や意味についての考察を端緒としている。黒い戸や儀式に関する既往研究を確認して, 儀式によるエクスタシーを住空間の本質のひとつとした。そこから, 非日常(共同体)の儀式である祭りと日常(家族)の儀式である黒い戸に着目し, 共同体の儀式の空間である広間と家族の儀式の空間である納戸を中心に現地調査を行った。その結果, 日本の住空間には祭りのような儀式だけでなく, 黒い戸のような儀式を記号化した儀式性が取り入れられていることを明らかにした。また, 儀式によるエクスタシーは鋭い緊張感を, 儀式性によるエクスタシーは柔らかい緊張感を住空間にもたらしていた。

著者関連情報
© 2020 一般財団法人 住総研
前の記事 次の記事
feedback
Top