本研究は,韓国のひとり親の住宅事情,特にひとり親になった直後から現在までの住宅移動を可視化することで現行制度の課題を指摘した。ひとり親になる前後で転居をする割合は極めて高く,その時期に利用できる制度がないために,多くが非住宅や低質なウォルセ住宅に移動していた。転居回数は,量的調査では5 回以上が2 割,質的調査では最大8 回の転居を経験している事例があった。韓国には民間賃貸住宅を公的住宅として活用する制度があるが,家主の無理解から,確保が難しいこと,質の課題があること,さらに,家主の都合で更新が難しい場合があることなどが課題として挙がった。