住総研研究論文集・実践研究報告集
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戦前期三井鉱山関連会社の福利施策の研究
三井文庫所蔵三井鉱山旧蔵資料を基礎資料に
池上 重康崎山 俊雄
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 46 巻 p. 25-36

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抄録

三井文庫所蔵の三井鉱山関係会社旧蔵資料を基礎史料に,三井鉱山における福利施策を,労務者社宅と職員社宅の改善の変遷,その契機とも位置づけうる二度の社内社宅懸賞設計,そして,大牟田市を対象に,職員社宅の増設が,計画された郊外住宅地の形成と景観に影響を与えたことを考察した。労務者社宅は明治時代の粗悪なものから,時局に応じて改良を加え,戦前期までに10坪を超えるに至った。職級に応じて供給されていた職員社宅は,特に下級職員社宅において労務者社宅と同様に順次改良された。三井鉱山では,どの事業所においても居住環境の改善に取り組んでいた。大牟田市の川尻地区では,土地区画整理事業を援用した三井鉱山の職員社宅による街並みが形成された。

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