2006 年 32 巻 p. 117-128
ベトナム中・南部の高原地帯における少数民族の伝統的な集落・住居を対象に現地調査を行い,それぞれの共同体が持つ居住様式について,空間的な同質性と差違性に着目して,形態学的な特性を明らかにすることが本研究の目的である。調査集落の中から,重荷伝統的な形式が遺っていると思われる住居を対象として,カテゴリーデータとして住居を,サンプルデータとして住居の属性をとり,数量化Ⅲ類を適用した。上位2軸を評価軸としてカテゴリースコアとサンプルスコアを分析した。続いて,座標上の距離を基準とするクラスター分析(ウォード法)を行い,調査住居をグルーピングするとともに,評価軸の表現内容を検証した。