近年、企業の評価は、財務会計に基づく実績の評価から、将来の成長や収益の予測に基づく評価に移りつつある。言い換えれば、設備、資本といった有形資産の評価から、技術力、ブランド力といった無形資産の評価にその機軸が変わっているといえる。本研究においては、無形資産のうち、将来の収益力に直接繋がる技術革新資産について日本企業のマネジメントを分析し、どうすればイノベーションは生み出せるか、またどうすればそれが生まれやすい組織作りができるか、という事に関して、具体的な日本企業のケースおよびそれに関して最も優れた企業の一つである米3M社のケースを通じてその方法を探った。