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事例研究
コンプライアンスに根差した記録管理の考察 -民間企業の事例分析-
江藤 敦美
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2023 年 84 巻 p. 38-49

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抄録

デジタル社会が実現となりつつある。働き方改革の追い風もあり、効率化の名のもとデジタル・ トランスフォーメーション(以下「DX」)は着実に人々の生活へ浸透してきた。さらに2020年頭から深刻な感染拡大が続くCOVID–19がDXの加速を後押しし、物理的な制限からの脱却が急務となっている。デジタルとアナログの過渡期で社会の価値観が変容しつつある今、企業の記録管理についても保存する媒体を始め大いに議論の余地がある。

 そこで本稿では、民間企業の電子記録管理事例研究を行う。本稿では時代背景に沿った電子記録に特化しコンプライアンスの構成要素に着眼し、分析・考察する。筆者の所属する株式会社NXワンビシアーカイブズにおけるグットプラクティスを整理した上で、組織経営に直結する「内部統制機能」、説明責任を果たし半永久的に管理する「長期保存対応」、取引契約の履行のために自社の自然災害等リスクに備える「BCM対策」の着眼点で整理する。分析結果を踏まえアナログの衰退とデジタル移行が組織の生産性にどのような意味をもたらすのか掘り下げ、デジタライゼーション(=「攻めのデジタル化」)実現への道と記録管理の展望について述べる。

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© 2023 記録管理学会
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