水道は快適な市民生活を営むうえで欠くことのできない重要なインフラ施設である。我が国の水道は、横浜市において近代水道が布設されてから120年以上を経過し、昭和30年代後半からの高度経済成長期における急速な普及拡大を経て、平成20(2008)年現在での水道普及率は約97.5%に達している。一方で、老朽化しつつある水道施設の効率的な更新・再構築が事業運営上の最重要課題の一つとなっている。未だ経験したことの無い大規模な社会資本整備手法として水道業界では厚生労働省が主導する「アセットマネジメント」の導入・適用が注目されている。本稿では、水道業界の動向を視野に入れ、アセットマネジメントにおけるP2M手法適用の効用について考察する。