国際P2M学会誌
Online ISSN : 2432-0374
災害リスク削減における被援助国の知識創造に貢献する政府開発援助(ODA)によるプロセス重視型の外部介入のあり方提案
南谷 太一沖浦 文彦
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ジャーナル オープンアクセス

2024 年 18 巻 2 号 p. 113-142

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抄録

災害リスク削減は世界の喫緊の課題である。仙台防災枠組は開発途上国での事前防災投資は持続的開発の観点で重要であると強調するが、多くの国及び援助ドナーは未だ事後対応に焦点を当てている。よって、ODAによる開発途上国への外部介入が重要な役割を果たす。災害リスク削減には長時間を要し、被援助国はODAを通じて得た知識を自律的に更新していく必要がある。そこで本稿は組織的知識創造理論を用いて、ODAプログラムを詳細分析し、自律的な知識創造を可能とするために必要なDRR領域におけるODA向けプログラムマネジメントのあり方を検討した。その結果、ODAプログラムでは、相手国政府の組織的知識創造に資するため、プログラム期間において、常時、必要に応じ、(1)災害を契機としたランダムな価値指標/ライフサイクルマネジメント、(2)プログラムの限界を前提とした価値指標/ライフサイクルマネジメント、(3)組織間連携推進に向けたプラットフォームマネジメントという3つを行う必要があることを明らかにし、最後にはそのマネジメント方法をDRR-ODA価値創造改良フレームワークとして提案する。

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© 2024 International Association of P2M and Authors

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