老年看護学
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地域障害老人における「閉じこもり」と「閉じこめられ」の1年後の身体・心理社会的変化
河野 あゆみ金川 克子
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2000 年 5 巻 1 号 p. 51-58

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抄録

本研究の目的は地域障害老人における「閉じこもり」と「閉じこめられ」の1年後の身体・心理社会的変化を明らかにすることである.1998年3〜7月に訪問面接を行った石川県輪島市の地域障害老人225人を対象に身体的,心理社会的特性について1年後に追跡調査を行った.その結果,以下の知見を得た.1.「閉じこもり」は25.0%が死亡しており,5m歩行群の他の生活像の高齢者に比べ,死亡の割合が有意に高かった.2.1年間のうちに「閉じこめられ」の介護者の負担感は有意に高くなり,「閉じこもり」は意欲が有意に下がっていた.1年間の経過では在宅障害老人における「閉じこもり」は死亡しやすいこと,意欲が低下しやすいこと,「閉じこめられ」は介護者の負担感が増強しやすい生活像であることが明らかにされた.

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