本研究は,在宅で短期入所を利用する認知症高齢者の家族とケア提供者が伝えたい・伝えて欲しい情報を明らかにし,伝え合う方法を検討するために,認知症高齢者の家族8名とケア提供者15名に半構成面接調査を行った結果,以下のことが明らかになった.伝え合いたい情報は6分類に整理され,1.【サービスに対する要望】と【家族の健康・介護状況と介護への思い】は関連しあっており,あわせて伝え合える工夫,2.【認知症高齢者の個別ケア】と【認知症高齢者の継続したい在宅生活とできること】は,在宅生活のケアを継続することで,認知症高齢者のリロケーションダメージを軽減するために重要な情報であり,家族とケア提供者がお互いに伝え,補完しあえる工夫,3.認知症高齢者の異常の早期発見や新しい一面の発見ができるよう【認知症高齢者の健康管理】と【サービス利用時の認知症高齢者の状況】を両者が具体的に伝えることができる工夫の必要性が示唆された.