日本体育・スポーツ・健康学会予稿集
Online ISSN : 2436-7257
第73回(2023)
セッションID: 3c190-110-15
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バイオメカニクス ポスター発表
トランポリン競技における後方伸身2回宙返り3回捻り動作の三次元動作分析
*岸 凌大山口 雄大西山 哲成
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抄録

【目的】トランポリン競技の国内トップレベルのトランポリン競技選手が多く実施する後方伸身2回宙返り3回捻り動作の運動学的特徴を調べ、高得点につながる技術的要素を明らかにすることとした。【方法】全日本選手権大会出場選手を含むトランポリン競技選手8名を対象とした。得点は公益財団法人日本体操協会が定めた採点規則に基づき国際審判員の有資格者が採点を行い算出した。身体の解剖学的ランドマーク55箇所に反射マーカーを貼付し、12台の赤外線カメラを用いた動作分析システム(Arqus 5,Qualisys社製)を用いて各計測点の三次元座標データをサンプリング周波数250Hzで記録し、全身および各体分節の運動学的データを求めた。上胴の長軸周り、左右軸周りの角度をそれぞれ捻り角度及び宙返り角度として算出した。主データの平均値および標準偏差を求めた。【結果】計測した後方伸身2回宙返り3回捻りの得点は6.060±0.166点であった。跳躍前のトランポリンベッド接地時間は0.297±0.005秒、滞空時間は1.673±0.057秒、最高重心高は5.519±0.250mであった。全被験者において1回目の宙返り中に2回捻りがほぼ完了し、2回目の宙返り中に3回目の捻りが実施されていた。捻りの角速度は離地後に増加し、1回捻り後半から2回捻り前半の間にピーク角速度(1114.9±60.3deg/s)が出現した。競技レベルが高い群においては2回捻り完了まで高い角速度を維持していたのに対し、競技レベルが低い群では2回捻り完了前に減速が始まる傾向があった。競技レベルが高い群は低い群に比して2回捻りの時間が短かった(0.370±0.01秒vs0.394±0.03秒)。3回捻り完了のタイミングも競技レベルが低い群に比べて早く、安定した着地を行える要因であると考えられた。

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© 2023 一般社団法人日本体育・スポーツ・健康学会
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