日本体育・スポーツ・健康学会予稿集
Online ISSN : 2436-7257
第73回(2023)
セッションID: 2a1005-08-03
会議情報

学校保健体育研究部会【課題C】口頭発表
ACPにおける運動遊びの種目別定量的評価(測)
身体活動量と個人差を包括的に捉えて
*塚本 将太大坪 健太冨士本 有希竹内 花春日 晃章
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

[目的]本研究は、日本スポーツ協会が開発し推し進めるアクティブ・チャイルド・プログラム(ACP)の各運動遊びの身体活動量を定量的に評価することを目的とした。 [方法]対象者は、G県のG大学に在籍する大学生および大学院生50名(男子30名、女子20名)であった。測定項目は、運動強度、歩数および心拍数とした。運動強度の測定には、3軸加速度計Active Style Pro HJA-750C(オムロンヘルスケア社製)を使用し、10秒毎のMETsを計測した。歩数・心拍数の計測には、腕時計型Wristable GPS SF-850(EPSON社製)を使用した。測定種目は、日本スポーツ協会が発行するACPのガイドブックに掲載されている遊びを中心に18種目を選択した。運動遊びの身体活動量の比較をするため、一元配置分散分析を適用し、有意な主効果が認められた場合、多重比較検定を適用し検討した。また、運動遊びごとの身体活動量の個人差の大小を検討するため、各測定項目において変動係数を算出するとともに、Levene検定を適用し、有意な主効果が認められた場合には、Bonferroniの方法による二群間の等分散性の検定を適用した。 [結果]分析の結果、全ての項目において有意な主効果が認められ、多重比較検定の結果、二人組で行う運動遊びである“あっちとんでぴょん”が他の16の運動遊びよりも有意に高い運動強度を示した。Levene検定の結果、運動強度および歩数に有意な主効果が認められ、二群間の等分散性の検定の結果、“氷オニ”は他の全ての遊びよりも分散が有意に大きく、“ねことねずみ”は他の14の遊びよりも有意に小さかった。 [結論]ACPにおける運動遊びの活動量特性について、 個人差の大小を捉えることで、学校現場で運動遊びを実施する際、遊びのアレンジや組み合わせを考慮する上での重要な指標になり得ると考えられる。

著者関連情報
© 2023 一般社団法人日本体育・スポーツ・健康学会
前の記事 次の記事
feedback
Top