主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第70回大会
開催地: 慶應義塾大学日吉キャンパス
開催日: 2019/09/10 - 2019/09/12
p. 306_3
近年、子どもが多様な他者と良好な人間関係を形成する能力を身につけることの困難さが問題視されている。この問題を解決する学習指導モデルとして協同学習が挙げられる。これまでの協同学習では、仲間からの受容感を高めたことなどが報告されているが、児童の社会的スキルや思考力、判断力の実態が報告されているわけではない。今回の改訂において表現力が目標並びに指導内容に位置づけられたことを踏まえれば、体育授業内での児童の表現力の実態を明らかにしていくことが期待される。
そこで、本研究では小学校6年生のハンドボール1単元で設定された話し合い場面に着目し、児童の発言並びに児童が用いている社会的スキルの実態を明らかにすることを目的とした。対象グループは4人1組のグループを計3グループ12人とした。また、対象グループの話し合い場面における言語を逐語記録化し、あらかじめ設定した基準を用いて分類した。その結果、ある特定のメンバーが一方向的に発言していることが明らかになった。また他方で、自分の考えを簡潔に伝えつつ、グループのメンバー全員で、双方向的な発言を営んでいる実態が明らかとなった。