主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第70回大会
開催地: 慶應義塾大学日吉キャンパス
開催日: 2019/09/10 - 2019/09/12
p. 213_3
本研究の目的は、長期のはだし運動が児童の疾走能力および跳躍能力に与える影響を検討することであった。埼玉県内のはだし教育実施校(HS)および対照校(CS)の6年生約120名を対象者とし、50m全力走の疾走動作の分析(シューズ・はだしの2条件)および跳躍能力の測定(反動付きの垂直跳、リバウンドジャンプ(RJ))を行った。HSの児童は、走を中心としたはだし運動を、週5日朝の10分間、計5年間8ヶ月に渡り実施していた。
はだし運動の長期的影響を検討するために二元配置分散分析(学校間×条件)を行った。その結果、疾走能力について、疾走速度は、学校間で有意な差は認められなかった。HSの児童はCSの児童と比較して、接地時間が短く、滞空時間が長かった。また、HSの児童のシューズ条件における接地様式は、前足部および中足部接地の割合が多かった。HSの児童の跳躍能力は、CSの児童と比較して、RJ-indexが高く、RJの接地時間が短かった。
これらの結果から、はだし教育実施校の児童は、はだし運動を長期的に実施することによって、前足部および中足部接地での疾走動作に適応し、短い接地時間で大きな力を発揮できるようになった可能性があると考えられる。