日本体育学会大会予稿集
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第67回(2016)
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ランチョンセミナー⑩
若手研究者交流会
岡出 美則
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p. 37

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抄録

 現在、日本体育学会の会員数の3割以上が、若手研究者(40歳未満)で構成されている。本学会が、将来に向けてさらなる発展を遂げるためには、学会の近未来の担い手となる若手会員の要望・意見を真摯に受け止め、新しい時代にふさわしい、また、独立個別専門学会とは異なる独自性を創出していくことが求められる。

 しかし、わが国の学術系の若手研究者を取り巻く研究・就業環境は、決して恵まれているとはいえない。この状況は、体育、スポーツ関係の研究者にとっても同様である。そのため、日本体育学会では若手研究者をめぐる諸環境の実態を把握するため調査研究に取り組み、その成果(http://taiiku-gakkai.or.jp/wp-content/uploads/2015/10/2015.10.6_Wakatekennkyuusyasyoureiiinnkai.pdf)を、昨年度の若手研究者交流会で紹介した。また、そこでの論議も踏まえつつ、理事会内の政策検討・諮問委員会において、状況の改善に向けた論議を重ねてきた。

 しかし、体育、スポーツ科学に関する研究環境は、依然として厳しい。平成28年3月17日付けで学術振興会より示された平成30年度科研費審査区分の見直し(「科学研究費助成事業(科研費)審査システム改革2018」(報告))は、その例である。そこでは、体育、スポーツ科学の申請は、複合領域が廃止され、大区分では医学と同じ枠組みに位置づけられるとともに、人文、社会科学系の研究の位置づけが大きく後退した。

 そこで、この交流会では、理事会において検討されている若手研究者育成に向けた論議の内容を紹介すると共に、体育学の研究体制はどうあるべきか、若手研究者の研究活動をより一層活発にするために学会には何ができるのか、学会の中・長期的発展のために若手研究者は、その運営にどうかかわるべきか、といった話題を中心に自由な意見交換を図りたい。

 なお、この交流会は、専門分化と縦割り化が進む体育学において、専門分野の垣根を越えた会員同士の貴重な対話の機会であり、本学会の独自な取り組みとして今後の継続的・持続的な実施の契機としたいとの昨年度の実施を踏まえ、今年度も開催するものである。

 本交流会では、年齢による制限を特に設けているわけではありません。是非とも、多くの会員の皆様の参加をお願いいたします。

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© 2016 一般社団法人 日本体育学会
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